野の花美術館

ご挨拶

「深沢紅子野の花美術館」の誕生は、はかり知れぬほど多くの人々の待望するところでありました。それは多くのファンが、深沢紅子のほんもののやさしさに満ちた 作品に心の拠りどころを得たと同じほどに、深沢紅子その人を敬愛 して止まなかったことにほかなりません。

深沢紅子は若くして画家深沢省三と結婚して五人の子をもうけ、妻、母、主婦としてその任を果たしつつ、90年の生涯を画家としての模索と制作に終始、それを全ういたしました。眉間に寄る皺を人に見せることはありませんでした。

啄木生誕110年、賢治同100年の今年、啄木は貧困とたたかいながら、その生活と思想をみずみずしい定型詩に結実させ、賢治はまた世界じゅうの人が幸福にならなければ自分のしあわせはないとの思想に徹し、自らの心身に労苦を課しつつ、珠玉の作品を蜘蛛が糸を吐くように置土産として世を去りました。

明治36年生まれの深沢紅子も岩手の、盛岡の土壌が生んだ秀れた個性であります。その画業と足跡の研究は今後に委ねなければなりませんが、深沢紅子は、生きる範を野の花に多く学んだのでした。

当美術館では、静かに大地に根づいて生きる花々と向かい合って生きた深沢紅子の作品と人となりを、折々の企画展をも通し、広く伝えてまいりたいと、ねがっております。

多くの方々のご来館とご鑑賞、そして貴重なご意見をたまわりますよう、心よりお待ち申し上げます。

平成9年
「深沢紅子 野の花美術館」盛岡
館長 志賀かう子

作品のご紹介

深沢紅子さんの作品の一部をご覧いただけます。

深沢紅子プロフィール

深沢 紅子 -Kouko Fukazawa-

  • 明治36年3月23日 盛岡に生まれる
  • 昭和55年「深沢紅子展」開催(岩手県民会館にて)
  • 平成 5年「深沢紅子展」開催(練馬区立美術館にて)

東京・石神井自宅アトリエにて

東京・石神井自宅アトリエにて、
長岡輝子さんを描く

野の花美術館 所在地

〒020-0885 盛岡市紺屋町4-8

電話番号019-653-1111

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